ヒュージ・リーダーズへのいざない(2)
ルール変更について
先日、ヒュージ・リーダーズのゲーム開始時に関する特別なルールに変更があった。
この変更がなぜ決まったか、またそれによりどんなカードが使用されるかについて簡単に説明をしていきたい。
簡潔なルールに勝るものは無い
- ゲーム開始時、各プレイヤーはゲーム外から《荒地》カードを4枚戦場に出す。この方法で戦場に出た荒地が対戦相手のコントロールする呪文や能力によって戦場から離れる場合、代わりにそれを追放し、次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下でタップ状態で戦場に戻す。
当初のルールでは、イメージとして「常に使用できる4枚の無色土地」を持つことで、ゲーム開始時の無の時間を短縮させようとしていたが、このルールは少々複雑であった。このフォーマットに興味を持ってくれた有志がこの問題を解消するために新しいルールを提案してくれた。
提案内容を大まかに説明すると、「統率領域に荒地を4枚置いといて、プレイできるようにする」というものであった。ここで次の疑問が出てくる。「その土地は(統率者のように)使いまわせるのか?」「使い捨てか?」…。
まず、プレイヤーの認識を確認するため、以下の投票を行った。
統率領域に荒地4枚の場合
— のあみす (@y_tsukinari) June 28, 2018
投票の結果、使いまわせる土地が人気のようだった。だがこのルールには懸念事項があった。
「場を離れるときに統率領域に戻しても良い」場合、ギトラグがかなり強いジェネラルになる恐れがありますが…
— のあみす (@y_tsukinari) June 28, 2018
この投票の結果、票数はそれほどなかったが以下のことが分析できた。
- まだ成熟していないフォーマットであるため、土地が使いまわせるかどうかによって変化する状況が皆あまり読めない。
- ルール変更は歓迎されている。
そうなると、既存ルールから新ルールに変更すれば良いだけなので、最終的にゲームが楽しくなるように今のルールが制定されたのである。
アタック25
ライフは25点。これは変わらない。既に「ライフが少なすぎるのでは?」という意見もあったが、以下のように考えている。
- 追加ターン系のコンバット・デッキを組む場合、既に盤面にクリーチャーが居ないと追加ターンをプレイしても効果が十分に得られない。
- いくつかの例外を除いて点数で見たマナ・コストは5点以上でないとカードをプレイできない。
- 5マナ以上となると必然的に打ち消しはしづらい。つまりそれはクリーチャーを除去するタイミングがしっかりとあるということになる。
例えば《悟った達人、ナーセット》などはとても安定して追加ターンを得られるだろう。だが速攻を付与する手段は非常に限られている。5マナ以上ともなれば全体除去の類も多く、呪禁はそこまで強力な効果でもない。
むしろ私はこの環境がコンバット・デッキが(追加ターンの有無を問わず)許されるメタになることを望んでいる。本家EDHではハルク・フラッシュやむかつきといったコンボ・デッキが主流であり(当然だ。120点のライフをコンバットで削れるデッキなんていわゆるcEDHにおいてはTop Tierには数種類あるかないか程度だ。)、そんな中で5マナ以上のカードがひしめくことなどほとんどないだろう。
コマンダー・ピックアップ
以下に優秀なジェネラルを紹介しよう。いわば要注意リストである。
《ギトラグの怪物》はルール変更により維持コストがほぼ無料になった。コンボパーツを探すのも容易になるだろう。《Bazaar of Baghdad》とのシナジーも文句なし。
《覇者シャルム》は《Bazaar of Baghdad》だけでなく、《Mishra's Workshop》とも噛み合う恐ろしいジェネラルである。《ドロマーの従者》を使用できることもあり安定感がある。
《墓場波、ムルドローサ》はサイクリング・デッキで猛威を振るうだろう。《熟考漂い》とのシナジーはとても優秀である。
《悟った達人、ナーセット》は追加ターン・コンバットデッキになるだろう。強力であることは間違いない。
《魂の歌姫ルビニア》はクリーチャーが主体となるこのルールにおいては非常にいやらしい統率者になる。《高級市場》など、クリーチャーを生け贄に捧げる手段を持つ土地は案外多い。
《アルゴスの庇護者、ティタニア》はこのルールの恩恵をそれほど得ないように思えるが、ライフ25点を容易に削ることが出来る緑単色ジェネラルである。《幽霊街》や《露天鉱床》、各種フェッチランドなどで能動的に土地を落とすことで簡単に5/3のトークンの山が出来上がる。
《石術師、ナヒリ》は意外かもしれないが、5マナ以上のクリーチャーがシングルアクションで戦場に出続けるという都合上、全体除去を大量に積んだデッキを組むことで奥義達成まで狙うことが可能なのだ。《忘却の輪》などの汎用除去は実はそれほど種類がないので(《砂漠の竜巻》など)プレインズウォーカーが統率者であるデッキを組む価値はある。
《永遠衆、ネヘブ》はルール変更前から強力なジェネラルであることはもうご存知だろう。
ヒュージ・マナブースト
ここまではどんな統率者が登場するかに焦点を当てていたが、ここからはいろんな統率者で使用できるマナ加速・カードを紹介する。
優秀な汎用マナ加速カードを挙げた。もちろん他にもあるが、あえてここでは記載しない(わかりやすいところだと《邪神の寺院》などだが、こういったカードはかなりの数がある)。誰でも最初の4ターンを土地を置くだけで終わるようなデッキにしたくはないだろう?
さあ組んでみよう
(後日サンプルデッキを追記予定)